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軽自動車の買取相場一覧|N-BOX・タント・スペーシアを年式別に比較

軽の売れ筋3車種を年式・走行距離別に並べ、公表データから残価の落ちにくさを比較しました。メーカーが公式に設定している「5年後の値段」や、下取りと買取で金額が変わる仕組みまで、2026年9月14日時点の数字で整理しています。

軽自動車の買取相場一覧|N-BOX・タント・スペーシアを年式別に比較

「7年乗ったタント、いくらになるんだろう」。

そう思って検索すると、金額だけがずらっと並んだページが出てきます。年式も走行距離もグレードも書いていない「タントの買取相場は◯万円!」という数字。あれ、正直あまり役に立ちません。

時間がない人向けに、先に結論を3行で。

  • 残価の落ちにくさで並べると、1位N-BOX・2位スペーシア・3位タント。ただし差は小さく、条件を揃えると1位と2位はほぼ横並びです
  • メーカー3社とも、5年後の価値を「車両価格の約4割」に置いています。190万円のN-BOXなら5年で約112万円、月あたり1.9万円ずつ減る計算です
  • 下取りと買取で金額が変わるのは、車の出口が違うから。査定の減点は1点=1,000円という共通のものさしがあります

以下、全部データの出どころつきで説明します。

この記事の目次
  1. 結論:この3台、条件を揃えると差は思ったより小さい 📊
  2. 年式×走行距離の相場マトリクス 🚗
  3. 年式別の掲載台数も見ておく
  4. 1台ずつ見ていく:向いている人と弱点
  5. 1位 N-BOX|玉数が最大の武器、弱点は「みんな持っている」
  6. 2位 スペーシア|条件を揃えると意外に粘る、ただし玉数は最少
  7. 3位 タント|現行が長い。売る側には不利、買う側には狙い目
  8. 残価が落ちにくい軽の共通点は、たぶんこの4つ 🔧
  9. なぜ下取りと買取で金額が違うのか 💰
  10. 卸値そのものが上がっている
  11. メーカー自身が置いた「5年後の値段」は、車両価格の約4割
  12. 自分の車に翻訳すると
  13. 走行距離の線引きは3社とも同じ
  14. 査定の減点は1点=1,000円。修復歴はカードサイズで決まる 📋
  15. 修復歴は8つの骨格部位で判定される
  16. 一括査定の電話が止まらない、その仕組み 📞
  17. 止め方は、意外とあっさりしている
  18. 契約したあとのトラブルは、公的な窓口がある
  19. 売るタイミング:13年目の壁
  20. この記事のまとめ

結論:この3台、条件を揃えると差は思ったより小さい 📊

まず全体像です。カーセンサーで3車種の世代別平均本体価格を並べると、こうなります(2026年9月14日時点)。

世代別の平均本体価格(カーセンサー掲載、2026-09-14時点)

① 初代・先代(平均年式2014〜2015年/走行7.9〜8.7万km) N-BOX 初代 57.4万円 スペーシア 初代 52.6万円 タント 先代 70.1万円

② 2代目(平均年式2019〜2020年/走行4.6〜5.1万km) N-BOX 2代目 123.0万円 スペーシア 2代目 120.4万円

③ 現行世代 N-BOX 現行 173.3万円 スペーシア 現行 175.2万円 タント 現行 150.5万円

ここで一番見てほしいのが②です。

2代目N-BOXの掲載平均は123.0万円、平均年式2020年、平均走行46,412km。2代目スペーシアは120.4万円、平均年式2019年、平均走行50,859km。

N-BOXのほうが1年新しくて、走行距離も4,400km少ない。それで価格差はたった2.6万円です。

つまり年式と距離を揃えたら、スペーシアのほうがむしろ高い側に来ます。「N-BOXはリセールが強い」とよく言われますが、少なくとも掲載価格の平均で見るかぎり、圧倒的な差はついていません。個人的にはここが一番の発見でした。

カーセンサーの中古車相場表トップページ
カーセンサーの中古車相場表トップページ(carsensor.net・2026-09-14時点の画面)
選び方の基準

順位を出す以上、基準を先に書きます。使ったのは次の3つだけです。報酬や広告の有無は一切関係ありません(このサイトは現時点でアフィリエイトリンクを貼っていません)。

順位を決めた3つの基準 基準1 同条件での 中古平均価格 年式と走行距離を 揃えて比べる

基準2 流通の厚さ 中古掲載台数と 新車販売台数。 売り先の見つけやすさ

基準3 メーカーが置いた 5年後の据置価格 残価設定クレジットの 公表値

3つとも公表データ。使ったページは記事末の出典欄にすべて記載しています

基準ごとの順位を先に表にします。

基準 1位 2位 3位
①同条件の中古平均価格 スペーシア(年式1年古く走行4,400km多くて−2.6万円) N-BOX タント(世代区切りが違い直接比較不可)
②流通の厚さ(中古掲載台数) N-BOX 26,704台 タント 15,376台 スペーシア 14,209台
②流通の厚さ(2025年度 新車販売) N-BOX 198,893台 スペーシア 163,054台 タント 124,103台
③メーカー公表の5年据置率 N-BOX 41.8〜44.6% スペーシア 40.9%(東京の提示例) タント 数値非公表

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そして総合順位は 1位N-BOX/2位スペーシア/3位タントとしました。基準①でスペーシアが上に来ているのに総合でN-BOXを1位にしたのは、基準②の差が大きいからです。この理由は次の章の各車解説で書きます。

ひとつ正直に言っておくと、この3つの基準はどれも「小売側」の数字です。買取価格そのものを網羅的に集計した公的統計は存在しません。だから順位は「相場が下がりにくい傾向」の話であって、あなたの車の査定額を約束するものではありません。

年式×走行距離の相場マトリクス 🚗

ここが本題です。自分の車がどこに乗るかを探してください。

平均走行距離と平均本体価格の関係(2026-09-14時点) 0 40万 80万 120万 160万 2万km 5万km 8万km

N-BOX 初代 57.4万 N-BOX 2代目 123.0万 スペーシア 初代 52.6万 スペーシア 2代目 120.4万 タント 先代 70.1万 タント 現行 150.5万

横軸=各世代の平均走行距離 縦軸=各世代の平均本体価格(カーセンサー掲載データ)

数字そのものはこちらです。

車種 世代 対象年式 掲載台数 平均本体価格 平均走行距離 平均年式
N-BOX 初代 2011/12〜2017/08 5,451台 57.4万円 86,826km 2014年
N-BOX 2代目 2017/09〜2023/09 11,462台 123.0万円 46,412km 2020年
N-BOX 現行 2023/10〜 ― 173.3万円 ― ―
スペーシア 初代 2013/03〜2017/11 2,586台 52.6万円 83,063km 2014年
スペーシア 2代目 2017/12〜2023/10 4,240台 120.4万円 50,859km 2019年
スペーシア 現行 2023/11〜 ― 175.2万円 ― ―
タント 先代 2013/10〜2019/06 4,822台 70.1万円 78,622km 2015年
タント 現行 2019/07〜 8,197台 150.5万円 18,257km 2023年

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調べていて面倒だと感じたのが、この世代の区切りです。タントだけ切れ目がずれています。タントの現行型は2019年7月から。つまり7年落ちでも「現行型」です。一方、N-BOXとスペーシアは2023年秋に代替わりしている。

だから「タント現行の平均150.5万円」と「N-BOX現行の平均173.3万円」を並べて、タントのほうが安い、と読むのは間違いです。タント現行は平均年式2023年・平均走行18,257km。母集団の中身がまるで違います。

自分の車を当てはめるなら、世代ではなく走行距離で見るほうが正確です。散布図の位置関係がそのまま目安になります。

  • 走行2万km前後(3年落ちくらい)→ 150万円台
  • 走行5万km前後(6〜7年落ち)→ 120万円台
  • 走行8万km前後(11〜12年落ち)→ 50〜70万円台

そしてここが大事なのですが、これは中古車店の店頭掲載価格です。あなたが受け取れる金額ではありません。 その差については後の章で。

年式別の掲載台数も見ておく

N-BOXの年式別掲載台数(carview!調べ、2026年9月14日時点)を見ると、2021年2,249台、2022年2,072台、2023年1,567台、2024年2,657台、2025年3,265台。10年落ちの2015年式でも475台が市場に出ています。

タントは10万〜15万km帯に1,922台。10万kmを超えても、ちゃんと商品として流通しています。ここは「10万km超えたら値段つかない」と思い込んでいる人に伝えたい数字です。

1台ずつ見ていく:向いている人と弱点

1位 N-BOX|玉数が最大の武器、弱点は「みんな持っている」

2025年度の新車販売は198,893台で軽の1位。前年比は94.4%と少し落ちていますが、2位のスペーシアに3万台以上の差をつけています。中古の掲載台数も26,704台で、3車種で最多です。

向いている人:どこに住んでいても、そこそこの値段で売りたい人。全国どこの買取店にとっても、N-BOXは「仕入れたら売れる」定番在庫です。売り先を探す手間がかからない分、査定額に反映されやすい。

弱点:希少性がありません。掲載2万6千台ということは、買い手側は26,704台の中から選べるということです。同じ年式・同じ距離のN-BOXが他にいくらでもある状態では、店側が無理をして高く仕入れる理由が薄い。

もうひとつ。初代N-BOX(2011〜2017年)の平均は57.4万円で、平均走行が86,826km。この世代はもう13年目に差しかかっていて、後述する軽自動車税の重課ラインに入ります。

2位 スペーシア|条件を揃えると意外に粘る、ただし玉数は最少

冒頭に書いたとおり、2代目スペーシアは年式・距離の条件で不利なのにN-BOXとほぼ同じ平均価格でした。数字の上では健闘しています。

そのうえで気になったのが、掲載在庫の中身です。スペーシアの掲載14,209台のうち、2025年式が2,914台、2026年以降が2,826台。合わせて5,740台で、全体の約40%が「ほぼ新車」の玉です。N-BOXの同じ計算は約24%、タントは約28%。

新しい玉が市場に大量にあると、数年落ちの相場は上から押さえられます。これは売る側にとっては逆風です。基準①でスペーシアが上位なのに総合2位にしたのは、この在庫構成を見たからです。

向いている人:年式が新しめ(3〜5年落ち)で、複数社に見てもらう時間が取れる人。玉数が少ないぶん、その地域でスペーシアを探している店に当たると強い。

弱点:地域差が出やすい。掲載台数が3車種で最少ということは、扱い慣れていない店もあるということです。

3位 タント|現行が長い。売る側には不利、買う側には狙い目

タントの現行型は2019年7月から7年続いています。2025年度の新車販売は124,103台で、前年比101.4%。3車種で唯一プラスでした。

売る側から見ると、現行型が長いのは諸刃です。7年落ちでも「現行モデル」として売れるのは有利。でも現行型の在庫が8,197台も積み上がっていて、そのうち2025年式だけで3,013台。同じ顔をした車がこれだけあると、希少性で値段を引っ張るのは難しい。

先代(2013/10〜2019/06)は平均70.1万円、平均走行78,622km、平均年式2015年。価格帯は40万〜80万円に集中していて、60万円台が637台と最多でした。

向いている人:現行型で走行距離が少ない人。平均が18,257kmなので、それを下回るなら相場の上側に乗ります。

弱点:先代(2013〜2019年)の層は、価格の下げ止まりが見えにくい。190万円以上の掲載がこの世代で8台しかないことからも、上値が重いのが分かります。

残価が落ちにくい軽の共通点は、たぶんこの4つ 🔧

3車種を並べて見えてきたものを整理します。

残価が落ちにくい軽の共通点 ① 流通量が多い 新車が売れている車は、中古でも捌ける。 オークションで確実に値がつくので、 買取店が強気の金額を出しやすい

② スライドドアのハイトワゴン 軽新車ランキング上位が示すとおり、 需要が集中している形。 中古でも買い手が途切れにくい

③ 年1万2千km以内で乗る メーカー3社とも残価保証の上限は 年12,000km/5年60,000km。 超えた分は1kmずつ引かれる

④ 修復歴がつかない 骨格8部位に規定サイズを超える 損傷や修理跡がないこと。 業界3団体が同じ基準を使っている

①と②は、この記事の3車種がそろって満たしています。だから3台とも「軽の中では値落ちが緩いグループ」に入る、という言い方が正確です。差がつくのは③と④。ここは車種ではなく、あなたの乗り方の話になります。

③の「年12,000km」がどこから来た数字かというと、メーカー3社の残価設定クレジットの条件です。次の章で詳しく書きます。

なぜ下取りと買取で金額が違うのか 💰

ここ、いちばん分かりにくいところですよね。仕組みが分かると納得できます。

車を手放したあと、その車には2つの出口があります。ひとつはその店が自分の店頭で売る(自社小売)。もうひとつは業者専用のオークションに流す(AA出品)。どちらを想定するかで、店が出せる上限額が変わります。

店頭価格から、あなたの手取りまでに引かれるもの

中古車店の店頭価格(あなたが検索で見る数字)

▼ 販売店の利益・保証・整備・在庫金利を引く

業者間オークションでの落札価格(=卸値)

▼ 会場手数料・陸送費・簡易整備費を引く

買取店が提示できる上限額

▼ さらに店の取り分を引く

実際の提示額

ディーラー下取りは、多くの場合この図の上側(自社小売か系列の中古車店)を出口に想定します。買取専門店は下側(オークション)が中心です。どちらが高くなるかは、その店がその車種をどれだけ欲しがっているかで決まります。決まった勝ち負けはありません。

ただし軽自動車の場合、この差は率として効いてきます。理由は金額の絶対値が小さいからです。10万円の差は、300万円の車なら3%ですが、100万円の軽なら10%。同じ「10万円違った」でも痛みがぜんぜん違います。

もうひとつ、軽には強い追い風があります。流通量です。

  • 2025年の軽四輪車の中古車販売台数:2,855,689台(全軽自協)
  • 2026年8月単月:206,106台、前年同月比104.2%
  • 軽四輪乗用車の保有台数(令和8年6月末):23,709,568台。全自動車の40.9%

日本を走っている車の4割が軽です。毎年285万台が持ち主を変えている。この厚みがあるから、オークションに出せばまず売れる。売れるから買取店は強気に買える。これが軽の相場が意外と底堅い理由です。

全国軽自動車協会連合会の統計資料ページ
全国軽自動車協会連合会の統計資料ページ(zenkeijikyo.or.jp・2026-09-14時点の画面)

卸値そのものが上がっている

もうひとつ市況の話を。国内最大手のオートオークション運営会社USSの公表資料によると、2026年4〜8月累計の成約車両単価は1,289千円。前年同期の1,188千円に対して108.5%です。

8月単月では出品254,517台、成約169,966台、成約率66.8%、成約車両単価1,248千円(前年比101.9%)でした。

この数字は軽も普通車も含んだ全車種の平均なので、そのまま軽の相場とは読めません。ただ「業者間で車が取引される値段そのものが、前年より8%以上高い」という事実は、いま売る人にとって悪くない材料です。

USSの月次データ公表ページ
USSの月次データ公表ページ(ussnet.co.jp・2026-09-14時点の画面)

メーカー自身が置いた「5年後の値段」は、車両価格の約4割

ここからがこのサイトの本題です。買取相場を語る記事は山ほどありますが、メーカーが公式に公表している残価を並べたものはあまり見かけません。

残価設定型クレジット(残クレ)は、数年後の下取り価格をあらかじめ決めて、その分を差し引いた金額だけ分割で払う仕組みです。つまり据置価格は、メーカー自身が「この車はn年後にこれくらいの価値になる」と踏んだ金額そのものです。

2026年9月14日時点で公式ページに載っていた例を並べます。

車種・グレード 車両本体価格 期間 据置価格(残価) 残価率
N-BOX ファッションスタイル(FF) 1,928,300円 60回(5年) 806,380円 約41.8%
N-BOX CUSTOM ターボ コーディネートスタイル(FF) 2,680,700円 60回(5年) 1,121,020円 約41.8%
N-BOX JOY ターボ 特別仕様車 BLACK STYLE(FF) 2,675,200円 60回(5年) 1,191,680円 約44.6%
スペーシア(スズキ自販東京の提示例) 1,530,100円 60回(5年) 625,950円 約40.9%

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きれいに40〜45%に収まりました。ダイハツのワンダフルクレジットは公式ページに具体的な据置額の記載がなく、販売会社への問い合わせ案内になっていたので、ここには入れていません。

ホンダ N-BOXのお支払いプラン紹介ページ
ホンダ N-BOXのお支払いプラン紹介ページ(honda.co.jp・2026-09-14時点の画面)

自分の車に翻訳すると

192万円のN-BOXを5年乗ると、残るのは約81万円。5年で約112万円が消えます。月あたり約1.9万円です。

153万円のスペーシアなら、残るのは約63万円。5年で約90万円、月あたり約1.5万円。

ランチ代に置き換えると、N-BOXで月に19回分くらい。こう書くと重く感じますが、これは「使った分の対価」なので、悪い数字というわけではありません。大事なのは、5年落ちの軽の実力値がだいたい車両価格の4割前後だと分かることです。

あなたの車が5年落ちで、査定額が新車価格の4割を大きく下回っているなら、その理由を聞いてみる価値があります。走行距離か、修復歴か、内外装か。逆に4割を超えているなら、相場の上側です。

走行距離の線引きは3社とも同じ

もうひとつ、残クレの条件から拾えた数字があります。

メーカー 距離条件 超過時の扱い
ホンダ 月間1,000km以下(=年12,000km) 1kmにつき車種ごとの規定金額を負担
スズキ 3年40,000km/4年50,000km/5年60,000km 超過1kmにつき5円
ダイハツ 1年12,000km/3年36,000km/5年60,000km 車両状態が規定外なら精算金

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3社とも年12,000kmで揃っています。軽自動車の「普通の使い方」を、メーカーがここに置いているということです。

スズキの1km5円という数字が具体的で分かりやすい。5年で7万km走った場合、超過は1万km。1万km × 5円 = 5万円のマイナスです。買取査定でも、同じ年式なら走行距離の超過分がこのくらいのオーダーで効いてくる、という肌感の目安になります。

年1万2千kmは、月1,000km。通勤片道15kmを月20日往復すると600km。買い物と週末の外出を足して1,000km前後、というイメージです。

査定の減点は1点=1,000円。修復歴はカードサイズで決まる 📋

査定の中身も、実は公表されています。

スズキファイナンスの返却条件ページにこう書かれていました。「自動車の査定による減点(走行距離を除く)が50点(50,000円相当)以内」であること。超えた分は利用者が支払う、と。ダイハツのワンダフルクレジットでも同じ50点基準が使われています。

ここから逆算すると、査定の1点=1,000円です。日本自動車査定協会に登録された査定士が、この減点方式で車を見る。

そして査定でいちばん大きく効くのが修復歴です。

修復歴は8つの骨格部位で判定される

修復歴(骨格部分を直したり交換したりした履歴、という意味です)の判定基準は、自動車公正取引協議会・日本自動車査定協会・日本オートオークション協議会の3団体で同一の基準を使っています。バラバラではありません。ここは安心していい部分です。

修復歴の判定対象になる骨格部位 クロスメンバー サイドメンバー インサイドパネル ダッシュパネル ピラー

ルーフ センターフロア パネル フロアサイド メンバー リヤフロア (トランクフロア)

大きさの基準はカードサイズ(8.5cm × 5.4cm) 8.5×5.4cm これを超える損傷・修理跡が骨格部位にあると修復歴と判定されます。 外板(ドアやフェンダー)だけの傷や交換は、修復歴になりません。

ポイントは2つです。

1つめ。外板は修復歴にならない。 ドアをぶつけて交換した、フェンダーを板金した。これらは骨格ではないので修復歴にはなりません。査定では減点されますが、「修復歴あり」という表示にはならない。ここを勘違いして「うちは事故車だから値段つかない」と諦めている人、たぶんけっこういます。

2つめ。カードサイズという線引き。 2019年4月から、判定基準が「軽微なもの(500円玉程度)」から「小さなもの(カードサイズ未満)」に変わりました。骨格部位でも、8.5cm×5.4cm未満の小さな凹みや修理跡なら修復歴にならない、ということです。

なお、クランプ跡(修理のときに車体を固定した跡)があっても、基準に該当しなければ修復歴にはしない、とも明記されています。

一括査定の電話が止まらない、その仕組み 📞

軽を高く売るなら複数社に見せるのが基本です。でも一括査定には、はっきりしたコストがあります。電話です。

Yahoo!知恵袋には「変な中古車査定サイトに電話番号を入力してしまい、電話が止まらないのですがどうしたらいいですか」という質問が実際に投稿されていて、補足に「多数の電話番号からかかってくるので拒否して回るのは難しい」とありました。

同じ質問への回答に、業者側の事情が書かれていて、これが腑に落ちました。要約すると「査定サイトは利用者の情報を買取店に売っていて、その費用は1件あたり数百円〜千円程度。買い取れても取れなくても、情報を見た時点で発生する。だから無駄にしないように、繋がるまで何度も電話してくる」という説明です。

なるほど、と思いました。買取店はあなたが電話に出る前から、すでにお金を払っている。だから鳴り続ける。悪意というより、構造です。

止め方は、意外とあっさりしている

同じ質問への別の回答に、実用的な一文がありました。「『もう、売却先が決まった』といえば、そこからの電話はない」。

別の質問(「電話があまりかかって来ないサイトありますか?」)への回答では、電話番号の入力が不要なタイプのサービスを挙げる声もありました。一方で「全部かかってくるに決まってる」という身も蓋もない回答もついています。

現実的な選択肢を整理すると、こうなります。

やり方 電話の量 金額の伸びやすさ 向いている人
ディーラー下取り ほぼゼロ 比較相手がいないので読めない 新車納車と同時に手放したい人
買取店に1社だけ持ち込む 1社のみ 比較がないぶん不利になりやすい 時間を最優先する人
買取店に自分で2〜3社持ち込む 自分でかけた分だけ 比較が効く 週末1日使える人
一括査定サイト 多い。申込直後が集中 競合が働くので伸びやすい 電話に耐えられる人

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個人的には、電話が苦手な人は一括査定より「自分で2〜3社に持ち込む」ほうが割に合うと思います。手間は増えますが、査定士と直接話せるぶん、減点の理由も聞ける。金額の根拠が分かると、納得して決められます。

契約したあとのトラブルは、公的な窓口がある

国民生活センターに寄せられた中古自動車の相談件数は、2023年度9,034件、2024年度7,059件、2025年度8,642件(PIO-NET登録)。増減はありますが、毎年7千〜9千件の規模です。

特に覚えておいてほしいのが、この2つです。

① 車の売却は、特定商取引法のクーリング・オフの対象外です。 国民生活センターが明記しています。契約書にサインする前に、キャンセル料の有無と金額、発生するタイミングを確認してください。

② 契約後の減額要求には、応じる必要はありません。 同センターは「査定して契約した後に、修復歴や事故歴を理由とした契約の解除や減額には応じる必要はない」とアドバイスしています。「オークションの検査で事故車と判断されたので買取金額を下げたい」という相談事例が実際に掲載されています。見落としたのは業者側です。

国民生活センター「車を売る際は要注意!中古車の売却トラブル」
国民生活センター「車を売る際は要注意!中古車の売却トラブル」(kokusen.go.jp・2026-09-14時点の画面)

困ったときの相談先は2つ。消費者ホットライン188(いやや)と、業界団体JPUCの「車売却消費者相談室」(0120-93-4595、平日9:00〜17:00)。JPUCのサイトには減額・キャンセル・自動車税などの相談事例が公開されています。

JPUC車売却消費者相談室のページ
JPUC車売却消費者相談室のページ(jpuc.or.jp・2026-09-14時点の画面)

売るタイミング:13年目の壁

最後に、時期の話を少しだけ。

軽自動車税(種別割)は、初度検査から13年を経過すると税率が上がります。2015年4月以降に初回検査を受けた車は年10,800円 → 12,900円(+2,100円)。2015年3月以前の車は年7,200円 → 12,900円(+5,700円)です。適用は、13年を経過した後に迎える最初の4月1日課税分から。

電気自動車やハイブリッド、天然ガス車などは対象外です。

年2,100円、月にすると175円。それ自体は大きな金額ではありません。ただし、中古車を買う側もこれを知っています。13年目に入った瞬間、市場での商品価値が一段下がる。初代N-BOX(2011年12月〜)の最初期の個体は、すでにこのラインにかかっています。

もし「あと1年乗るか、いま売るか」で迷っているなら、初度検査年月を車検証で確認して、13年の節目がいつ来るかを見ておくといいと思います。

よくある質問

Q. 走行距離10万kmを超えたら、もう値段はつきませんか?

つきます。タントの掲載在庫を見ると、10万〜15万km帯に1,922台が実際に並んでいます。N-BOX初代の平均走行距離は86,826kmで、平均本体価格は57.4万円。市場は動いています。ただし距離が伸びるほど価格の幅は広がり、状態の個体差が金額に直結します。複数社に見せる意味は、距離が多い車ほど大きくなります。

Q. 下取りと買取、どちらが高いですか?

決まっていません。車の出口(自社で小売するか、オークションに流すか)と、その店がその時期にその車種を欲しがっているかで変わります。軽は流通量が多く、どちらの出口でも売りやすいので、比べてみる価値があります。

Q. 一括査定の電話は、どうすれば止まりますか?

Yahoo!知恵袋の回答には「『もう、売却先が決まった』といえば、そこからの電話はない」とありました。一括査定サイト側に連絡して依頼をキャンセルする方法もあります。申し込み前の対策としては、備考欄に連絡手段の希望を書く、電話番号の入力が不要なサービスを選ぶ、といった手があります。

Q. 契約後に「事故車だったので減額します」と言われました。

国民生活センターは「査定して契約した後に、修復歴や事故歴を理由とした契約の解除や減額には応じる必要はない」としています。納得できない場合は、消費者ホットライン188かJPUCの相談室(0120-93-4595)に相談してください。無料です。

Q. 修復歴があると、いくら下がりますか?

具体的な下げ幅は車種・年式・部位・時期で変わるため、一律の数字は出せません。判定基準は公開されていて、8つの骨格部位にカードサイズ(8.5cm×5.4cm)を超える損傷や修理跡があると修復歴になります。ドアやフェンダーなど外板の修理は修復歴にはなりません。

Q. この記事の相場は、買取価格ですか?

いいえ。カーセンサーの掲載価格は中古車店の店頭価格です。あなたが受け取る金額は、ここから販売店の利益・保証・整備費用などが引かれた水準になります。店頭価格は「上限の目安」として見てください。

この記事のまとめ

  • N-BOX・スペーシア・タントの3台は、年式と走行距離を揃えると差が小さい。 2代目N-BOXが平均123.0万円、2代目スペーシアが120.4万円。N-BOXのほうが1年新しく4,400km少なくて、差は2.6万円だけでした(2026年9月14日時点・カーセンサー掲載)
  • 総合順位は1位N-BOX・2位スペーシア・3位タント。 決め手は流通の厚さ(掲載26,704台/2025年度新車198,893台)。ただし1位が全員の正解ではありません
  • メーカー3社が公式に置いている5年後の残価は、車両価格の約41〜45%。 距離条件は3社そろって年12,000km。スズキは超過1kmにつき5円と明記しています
  • 査定の減点は1点=1,000円。修復歴は骨格8部位にカードサイズ超の損傷があるかどうかで決まる。 外板の修理は修復歴になりません
  • 売却はクーリング・オフの対象外。契約後の減額要求には応じる必要がありません

次にやること:車検証を出して、初度検査年月と走行距離を確認してください。そのうえでカーセンサーの相場表で自分の年式・距離の位置を見る。ここまでやってから査定に出すと、提示された金額が高いのか安いのか、自分で判断できるようになります。

出典